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Real Fantasy物語 銀灰の伝説 ~灰の夢と銀の旅路~ 冒険NEW!

Real Fantasy物語 銀灰の伝説 ~灰の夢と銀の旅路~
冒険NEW!


「いよいよ長年住んだこの家ともお別れか。」

引っ越しの準備のために部屋の整理をしていた1人の白髪交じりの中年の男性はぽつりとつぶやきました。

すでに妻を亡くし、ひと月前に一人娘が結婚して家を出ていった独り身の彼には、その家は広すぎたのです。

整理のために家の倉庫を漁っていた男は、ある古びた地図を見つけ、思わず手を止め何かを思い出すかのようにぼんやりとその地図を眺めました。

それは学者である彼がその昔、雪山のふもとを調査していたときに偶然見つけた異世界の地図でした。

『いつか必ず地図にある異世界を見つけに旅に出る』男がそう心に誓ってからすでに30年の月日が経っていました。
地図を見つけたその日、抑えきれないほどの胸の高鳴りを感じていました。本当はすぐにでも冒険に飛び出したいと思っていましたが、男には家族がいて仲間がいて大切な人がいて、さらには大きく期待を寄せられた仕事があり、責任がありました。
そしてそれは、彼の好奇心を抑え込むためには十分すぎる理由であり、30年経った今振り返ってみても、当時の選択には後悔はありませんでした。

「……すっかり年老いちまったけど、今からでも、遅くないよな?」

男は少し戸惑いながらもまるで何かを思いついたかのように言葉を発すると、地図を大切にいつものバッグにしまい、急いで引っ越しの準備を進めました。

それから引っ越しを終えた男は、学者を辞め旅に出ることを決めたのでした。

旅の準備を整えた男は、旅に出かける前に妻のお墓に向かうべくいつもの黒いコートを身にまといました。長年着続けたそのコートは黒というにはとても色あせていて、かすれていました。

お墓の前で苦笑いをしながら、男は妻に話しかけるように言います。

「ねえ、覚えてるかい?昔、雪山の調査のときに見つけた地図の話。引っ越しで家の整理をしてた時にあの地図を見つけてさ……年甲斐もなくすごくワクワクしたんだ。君は笑うかもしれないけど、今になって僕はあの時の思いを果たそうと思うんだ。でも君の性格なら、なんだかんだでこの決断をきっと応援してくれただろうけどね。本当なら今年は結婚25年のお祝いだけど、今、この気持ちを、このタイミングを逃したくないんだ。冒険の土産話でも持ってあらためてまたお祝いさせてもらうから、ちょっとだけ待っててね。あ、この後、雪山に行ってくるよ。ほら、あの地図をくれた俺の先祖が眠っている場所だからさ。一言挨拶して、祈りを捧げてくるよ。」

そう言い終わると男は一輪の花をお墓に添え、ゆっくりと向きをかえ雪山に向かって振り返ることなく歩き始めました。

厳しい寒さと伝説のドラゴンが住み着いていたというかつての雪山は、今では驚くほど穏やかになっていました。
それでも老いた体で登る山はとても体に堪えます。
しかし新雪の雪道を一歩ずつ上っていく彼の足取りはゆっくりでありながらも力強いものでした。

山頂に着いた頃にはすっかり夜になっており、空には星空と月が輝いていました。

男はその場で膝まずくと、まずは地図を残してくれた先祖の冒険家に感謝をし、30年前の誓いをようやく果たすことを告げました。
優しく責任感の強い彼のこれまでの人生は、まぎれもなく人のために尽くした日々でしたが、先祖へのその言葉は、彼が自分のために生きることへの誓いでもありけじめでした。
それから男は月に祈りを捧げました。

それはこれまでの人生に区切りをつけ、次の人生の旅路への決意であり、彼の親しい人たちの無事を願う祈りでもあり、ほんの少しの謝罪でもありました。

「さあ、冒険に出かけるか。」

その場に立ち上がり、力強くそう呟いていよいよ冒険に向かおうとした帰り道、彼はふと気がつきます。そこには月に照らされた一面の雪に、ここまで登ってきた自らの足跡がしっかり刻まれていたのです。
それはまるで、かつて灰になったと思っていた自分の夢の上に、今、新しい足跡を確かに刻んでいるかのようでした。そして、その灰の中には夢への確かな火種が残っていたのでした。

空からも雪からも月明かりに照らされた男のコートは銀色に輝いており、不思議なことにその輝きは雪山を降りた後も失われることはありませんでした。
そしてそのコートはその後旅に出た男をあらゆる災害や外的な脅威から守ったといわれています。

それから時は流れ、男は冒険を終え老衰で亡くなりました。男を見送った娘とその子供たちは、彼の冒険譚や不思議な銀のコートの物語を、その子供たちに伝えていったのでした。

男の葬儀には多くの人が訪れその最期を見送りました。そして彼のひつぎには一通の手紙が納められました。
そこには丁寧な字でこう書かれてありました。

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お父さん。本当にお疲れ様。
これからはいつもお父さんがよく話を聞かせてくれたご先祖のケインさんと冒険のお話で盛り上がれるね。
晩年のお父さんはすごく楽しそうだったよ。時々冒険から帰ってきては、すごく嬉しそうにお話を聞かせてくれたよね。

お父さんは、本当はもっと早くからずっと冒険に出たかったんだよね。私は知ってたよ。
でもずっと、私のことが心配で、面倒を見るために我慢させちゃってたんだよね。もっと早く冒険に送り出せて上げられてたらって、何度も後悔したよ。ごめんね。

でもね、私はお父さんとたくさん過ごせてとてもとても幸せだったよ。
私はお父さんを、フェルディナンド・オーレリアンを心から誇りに思う。
お父さんは私にとって、世界一の冒険家だよ。
大好きなお父さん。ありがとう。

エリナ

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作品の詳細
作品ID n000007
作品名 Real Fantasy物語 銀灰の伝説 ~灰の夢と銀の旅路~
読切り/連載 読切り
クリエイター shop Real Fantasy クリエイターページへ
カテゴリ 冒険
対象年齢 全年齢対象
紹介文 ある日雪山のふもとで発見された異世界の地図……

これは世代を超えて受け継がれたある冒険者とその家族の決意と愛の物語。

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この物語はReal Fantasyオリジナルアイテム、「銀灰の旅装」にまつわるお話です。
実際のアイテムはshop Real Fantasyにて2026年9月に公開予定です。
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